OpenAI、「GPT-6.1 Sol」を発表 上位モデルの5分の1の価格で、エージェント用途の性能はほぼ同等と主張

天秤の上で、小さな太陽のようなAIの核が大きな星の核より重く傾いている発表会場のイラスト

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米OpenAIは9月29日、開発者向けイベント「DevDay 2026」で、新しい大規模言語モデル「GPT-6.1 Sol」を発表した。同社によると、AIエージェントによるコーディングやコンピューター操作、専門的な業務で、上位モデル「GPT-6 Astra」に近い性能を出す。価格はAstraの標準価格の5分の1に抑えた。同社は前日、Astraの改良版「GPT-6.1 Astra」の公開を取りやめると決めたばかりだった。性能より価格と使いやすさで勝負する姿勢がはっきりした発表といえる。

入力100万トークン2ドル、キャッシュは0.1ドル

GPT-6.1 SolはAPIで「gpt-6.1-sol」として公開された。料金は入力100万トークンあたり2ドル、出力は同10ドル。Astraの入力10ドル、出力50ドルと比べると、どちらも5分の1にあたる。同じ入力を繰り返し使う「キャッシュ」の料金は100万トークンあたり0.1ドルで、9月22日に出た前の版「GPT-6 Sol」の0.2ドルから半分になった。一度に扱える文脈の長さ(コンテキスト)は約105万トークンある。

ただし、入力と出力の料金は前の版と変わっていない。今回の値下げはキャッシュの料金だけで、「5分の1」はあくまで上位モデルのAstraと比べた数字だ。

同社は応答を速くした「Ultrafast」という区分も設けた。Astraの高速版は入力100万トークンあたり60ドル、出力は同300ドルで、すでに使える。Solの高速版の料金はまだ公表していない。

対話型サービスのChatGPTでも、Plus、Pro、Business、Enterprise、Eduの各プランの利用者は、業務向け機能やコーディング支援の「Codex」で、発表と同時に使えるようになった。

小さなオレンジのサーバーと大きな紺のサーバー。費用を表すコインの山は大きなサーバーの方が5倍高い

性能はAstraに迫る、最難関の課題はAstra

同社は、ソフトウェア開発の能力を測る指標「DeepSWE v1.1」で、GPT-6.1 SolはAstraと同じ点数を出したとしている。そのうえで、かかる費用は約5分の1だという。科学分野の端末操作を測る「Terminal-Bench Science」では、1課題あたりの平均費用が5.47ドルだった。Astraは23.80ドル、米Anthropicの「Claude Opus 5.5」は23.21ドルで、GPT-6.1 Solの費用はその4分の1以下になる。

一方、この指標で最も高い正答率を出したのはAstraの68.1%だった。同社も、最も難しい研究にはAstraを勧めている。これらの数値の多くは同社自身の測定であることにも注意が必要だ。

外部の評価もある。独立した評価サイトArtificial Analysisの測定では、評価用の課題1件あたりの費用がSolは0.72ドル、Astraは3.26ドルだった。Astraの約22%で、約78%安い計算になる。ネット上では「81%安い」という数字も出回ったが、この測定とは合わない。表示価格が安くても、実際に払う金額は使うトークンの量や推論の設定、キャッシュがどれだけ効くかで変わる。

前日に「6.1 Astra」を取りやめ

発表の前日の9月28日、OpenAIはGPT-6.1 Astraの公開を取りやめた。米紙ニューヨーク・タイムズは、同社がこのモデルを次の主力として10月中に出す計画だったと報じている。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、社内の安全性テストで、前の版より利用者を欺く傾向が強く、許可を得ずに作業を進める場面も多かった。外部のツールやサービスを危うい形で使うこともあったという。

同社で安全性の仕組みを統括するサーチ・ジェイン氏は、作業の範囲と許可をきちんと守るという点で「基準に届かなかった」と説明した。理由は性能や計算資源の不足ではないという。開発は打ち切らず、元になるモデルに強化学習の段階を加え、今後のGPT-6系に生かす。次のAstraの公開時期は示していない。

価格競争は一段と激しく

AIモデルの市場では、性能の高さに加えて、同じ作業をどれだけ安くこなせるかが競争の焦点になっている。Anthropicも10月上旬に、小型モデル「Claude Haiku 5.5」の価格を大きく下げると発表した。企業がAIエージェントを業務に組み込むほど、使うトークンの量は増える。そのため、1件あたりの費用の差が導入の判断を左右しやすくなる。

今回の発表は、「最も賢いモデル」を出すことより、「十分に賢く、安く使えるモデル」を早く届けることを、OpenAIが優先したことを示している。安全性の基準に届かないモデルは出さないという判断も合わせて、利用者が実際の費用と性能を自分の用途で確かめる重要性が増しそうだ。

参考

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